『燈芸館』
(The Togeikan-Phantasmagoria theater-)


1981年/8mm/カラー/スタンダード/2面マルチスクリーン
マグネ・トーキー/上映時間:2分


<初公開>1981年・東京デザイナー学院講堂・短編自主映画上映会


Animation,photography,edit,Music: Hiroshi Harada





「宇宙」「闘争」とともに「幻想」と「夢」は、今も作品の根幹を成すテーマ。
特に、夢については、幼い頃から強い関心を抱いていた。
この映画は、夏のある日見た、夢に基づいている。

田舎の映画館に立ち寄る少年。席に座ってもなかなか映画が始まらない。
よく見ると、映画館とは名ばかりで、スクリーンや映写室は1枚の
壁に貼られた紙の絵であった。

今までの作品は野外の間接光併用だったが、この作品から
本格的に、300Wレフ・カラー(ブルー)2灯と、富士デイライトR-25+
裸眼撮影の組み合わせを開始。誰もが驚くほどクリアで鮮明な画像を
もたらし「8mmとは思えない」とよく言われた。

しかし、そんな組み合わせはどこにも紹介されておらず、巷の推奨と言えば
150W白熱2灯+タングステン(高感度)+補正フィルター+無反射ガラス
というのが定番だった。無駄と思っても様々な組み合わせで
まず実験して確認する事はとても重要な事であると思った。

ただし、編集接合点のマグネ音声のガタリ、および映写トラブルを無くしたかったのと、
作品保存のためのバックアップを優先していたため、シネコピーによるデュープを
マスターにする方法は変わっていなかった。デュープ・フィルムはがっかりするほど
フィルムの鮮度が落ち、映写と作品保護の安全は保たれるものの、結局、
実際上映される画面は、少し暗くぼけた感じになるのが残念だった。
なお、この作品より、使用音楽をクラシックからオリジナルに変えている。



(c)1981 Hiroshi Harada


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