『象』
(Sho -hieroglyph-)


2010年/AVIファイル/カラー/ステレオ
4:3/上映時間:1分10秒

Animation,photography,edit,music: Hiroshi Harada


地球の起源やその成り立ちと、筆、墨、色、筆記行為、
筆記用具、そして光の関係を考えてみた。

墨を磨る時はゆっくり「の」の字を描くようにする。
そうしないと硯に窪みができてしまうからだ。
書で一番大切な事は、書いた物や結果、ましてや
完成した物の優劣などではなく、硯を磨る時間だと教えられた。
硯を長い時間する事により、周囲の自然音を受け入れ
古い歴史に対峙し、新しい創造を欲する心が生まれる。

近年はつい墨汁を使ってしまうけれども、
墨の香りは、いつの時代も人々の心を落ち着かせ
自然や歴史との同化を謙虚に誘ってくれる。

半紙に墨を落とす時の心地よさは格別の味わいを持つ。
自然の光に照らされた薄い紙の上で、墨と水が
交じり合う光景は、しばしの安息をもたらしてくれる。

もし現代の書と人工的な透過光が重ね合わされたら、
私達はいったいどんな現象を目撃する事になるだろうか。




(本編スチール)




(撮影前素材)








(撮影済素材)


(c)2010 Hiroshi Harada

inserted by FC2 system